トイレを流さない母に困っています。

母の習慣で困っていることがあります。
それはトイレを流さないことです。

ある日突然、「小便のたびに水を流すのはもったいない」と言い出し、
使用後拭いたティッシュはゴミ箱へ捨て、流さないでそのままトイレを出るのです。
大便のときは都度流しています。

水がもったいないという割には、歯を磨いている間の数分間、
すごい勢いで水を流しっぱなしにしています。
これは私が小さい頃からの母の習慣です。

母は自分がしていることは常に正しいと自信を持っています。
それ故に自分がしていることを否定されると、意地で言うことを聞かない部分があります。

実家には来客があまりなく、今までに流していないトイレを見られたことはありませんが、
今後は可能性がありますし、
なにより私が12月に出産予定で里帰りするため、そのトイレを毎日使わなければなりません。
どうすれば母はトイレを流すようになってくれるでしょうか。

【30歳　会社員】

ご相談ありがとうございました。

トイレのときだけ節水に燃えつつも、歯を磨くときには水を出しっぱなし。
ステキに矛盾しています。

現に僕の友人もダイエットを心がけていますが、あるとき、お昼にたくさんのリンゴとタマゴとアイスクリームを食べていました。

「ダイエット、あきらめたの？」と聞くと、彼の答えは、

「リンゴダイエットと、タマゴダイエットと、アイスダイエットの最中」。

あぁ、全部やっちゃったんだ。
そう思う自分に、彼は続けました。

「３倍やせるかな」

３倍太ると思う。
僕はその気持ちを飲み込みました。

また僕が小学生のときに出された作文は、こんな内容でした。

「紙をムダにしないための方法を書きなさい（原稿用紙10枚以上）」

子供心に、恐ろしく矛盾してる、と思いました。

このたとえで話がつながるのか非常に疑問ですが、人間は行動の多くに矛盾を抱えています。

そしてたいていの人は、そのことに気がつきません。

お母様も「歯磨きのときは水を止めて、その分をトイレ流すのに使えばいいんじゃない」という矛盾を抱えていますが、とにかく「自分の思う環境保護」に夢中のため、そんなことを考える余裕はないでしょう。

こんなときに大切なのは、「もったいないかどうか」という同じ土俵に乗るのではなく、別の方向から攻めることです。

方法はシンプルです。

「お母さん、尿が泡立ってたよ。糖尿のケがあるんじゃない？」
「お母さん、尿の色が病気っぽいよ？　一度見てもらったら？」

多少、微妙な内容で申し訳ありませんが、このように「相手を心配している風」を装えば、比較的すんなり受け入れられるはずです。
内容は誇張しても構いません。

人間、なんだかんだ言いつつも、環境よりも自分の体です。

そのことが気になり、「トイレで流さないと、色々とイヤなことを言われる」ということを学ぶため、少しずつ流すようになるのではないでしょうか。

頑張ってください。

何より自分の立ち位置に矛盾を抱えつつも、あなたの幸せを心より願っております。

ゆうきゆう（精神科医・心理学者・作家・Ｍ）

特技は、たて笛のテストを口笛でごまかすこと。趣味はバンジージャンプ。落ちるときの情けない顔は天下一品。夢はワイルドブルーヨコハマの跡地を買い取って、セクシーピンクヨコハマにすること。読者数138000人のメルマガ「セクシー心理学」を運営している。アドレスはこちらhttp://sinri.net/

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