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歌詞でよくある、女性が自分のことを「僕」と呼ぶ心理は?

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初めまして、ゆう先生。

私は大学4年生です。
就職活動が落ち着き、今は「椎名林檎の歌詞の解釈」というテーマで卒業論文に
てんてこ舞いの毎日を過ごしております。
完成に向けて日々論文を書き上げていますが、専攻が心理学ではない為、壁にぶち当たりました。
どうしても「女性が自分のことを僕という心理」が見当たりません。

沢山の資料の中から探していますが、核心に触れた研究が手に入りません(涙)。
様々な歌詞で自称詞を「僕」とする女性シンガーがおられます。
その心理はどの様なものでしょうか。
私個人の見解では、「自ら女性らしさを放つ自称詞を使うと、
必要のない女性の面(性の対象として見られる等)まで出してしまうから」と考えています。

しかしこれはあくまでも想像の域で確信は全くないので、論じることができません。
専門家のゆう先生の意見が聞きたく、投稿させて戴きました。
ご返答お待ち申し上げております。

【22歳 大学生】

ゆう先生の回答

ご相談ありがとうございました。

椎名林檎うんぬんはとりあえず置いておいて、

「女性が自分のことを僕という心理」

でしょうか。
論拠も何もなく、まったくの自分の意見としてお聞きいただければ幸いです。

まず考えつくのは、「男性になりたい」という気持ちでしょうか。

新宿二丁目にいらっしゃる男性が、一人称を、「アタシ」「ワタシ」と呼ぶのと同じだと思います。

単刀直輸入すぎる分析ですみません。
あえてもう一歩進めるなら、「少年への憧れ」なのかもしれません。

「ねぇ、ボク、何してるの?」
「ボク、いくつになったの?」

などの言葉に代表されるように、「男の子」の一人称といえば、もちろん「僕」です。
「俺」という子供は、少しワルっぽく、大人への憧れがあるイメージになります。
また男の子が「私」と言ったら、やはり少しマセている印象になります。

逆に女の子の場合は、「私」もしくは「あたし」ですが、どちらも「子供」だから使う」というイメージのある言葉ではありません。

すなわち「僕」というのは、それだけ「少年のような未成熟で純粋な印象」のある言葉で、女性の一人称にはない言葉なのです。

ですので「僕」とあえて使う女性は、「私はそれだけ純粋で未成熟な存在として見られたい」という気持ちがあるのではないかと考えます。

何か少しでも参考になることがあれば幸いです。

この考えはまったくもって引用フリーですが、卒論に
「出典…セクシー心理学者 ゆうきゆう(2008)」
とか書くと、間違いなく卒業取り消しになると思いますのでご注意下さい。


ちなみに自分の場合、「僕(ぼく)」より「僕(しもべ)」という言葉に興奮します。同じ字なのに!

ですのでたまに、「僕は」と打ち込むときに、「しもべは」と打って変換したりしています。当然誰にも気づかれない、禁断の遊びです。見えないオシャレです。

クリスマスに切ない自分を感じつつも、あなたの幸せを心より願っております。

プロフィール
ゆうきゆう(精神科医・心理学者・作家・M)

特技は、たて笛のテストを口笛でごまかすこと。 趣味はバンジージャンプ。落ちるときの情けない顔は天下一品。 夢はワイルドブルーヨコハマの跡地を買い取って、セクシーピンクヨコハマにすること。読者数138000人のメルマガ「セクシー心理学」を運営している。 アドレスはこちらhttp://sinri.net/

ニンテンドーDSから「心理研究家ゆうきゆう監修 マイニチココロビクス DSセラピー」も発売中。

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コメント
    • 私は、二文字か三文字かの語呂の違いかと思っていました。

    • 2009年05月13日 18:50
    • 炊け
    • 私自身は未読ですが、「僕はかぐや姫」と言う本があります。思春期の女の子が「ボク」と言う、そして「ボク」から卒業する話みたいです。
      このコラムで知ったのですが興味深かったです。
      http://media.excite.co.jp/book/daily/thursday/032/
      ご参考までに。

    • 2009年01月19日 18:03
    • コイ
    • マイクロソフトのワードでは、変換したひらがながルビで表示されます。
      「僕」を「しもべ」で入力して変換し、ルビを表示すると「ぼく」ではなく、「しもべ」と表示されます。
      ワードで作っているとしたら、先生の論文にルビを付けてみたいですね。

    • 2009年01月04日 16:43
    • word
    • 私は普段、自分の事を僕と呼ぶ事はありませんが、
      歌を作るときは、歌詞が自然と「僕」が、という物語になるのに気づいていました。
      やっぱりアニムスなのかな、と思ってました。
      その「僕」は、ゆう先生の言う通り、大人になりきっていない男の子のイメージで、色々と迷いがあるという印象です。
      しかし、英語には「I」という言葉しかないので、こういう心理状態は表面化しませんね。日本語の美しさの特徴のひとつだと思います。

    • 2008年12月28日 05:42
    • ばけ
    • 私は、普段、自分の事を言うときに、「僕」とか言う事は全くありませんが、歌を作る時、歌詞がなぜか自然に「僕」は、という物語になってしまいます。やっぱり、アニムスなのかなぁと思います。
      そういう歌詞の中の「僕」は、ゆう先生の言う通り、まだ大人になりきっていない男の子のイメージで、色々と人生に迷ってる、という感じがします。
      しかし、英語には、「I」しかないから、そういう心理状態って表面化しませんね。日本語の美しさの特徴のひとつ、と思います。

    • 2008年12月28日 05:37
    • ばけ
    • ゆう先生、はじめまして。
      いつも興味深く拝見しています。

      今回の女性の「僕」自称についてですが、
      私もよく考えます。
      中世的な視点で歌詞を書いたときに出てくるのではないかと思っていました。
      恋愛感情が女性的かつ男性的、のときということです。
      甘えたいけど守りたい、のような。
      あるいは、男女共通の感情であったり、
      性を感じさせたくなかったり、などもあるのではないでしょうか。

      関係ないですが、
      私は女ですが自ブログで「俺」自称をたまに使います。
      女性という先入観を持って欲しくないという気持ちのせいかと思っていましたが、
      ゆう先生の分析を読んでいて、
      強くなりたい願望の表れなのかなぁとも思いました。
      決意表明なんかに使うことが多いからです。
      「俺、来月までに○万貯めるんだ!」
      とかです。

      長々とすいませんでした。
      相談者の方の卒論の参考になれば幸いです。

    • 2008年12月27日 23:16
    • ゆこん
    • ゆう先生、はじめまして。
      いつも興味深く拝見しています。

      今回の女性の「僕」自称についてですが、
      私もよく考えます。
      中世的な視点で歌詞を書いたときに出てくるのではないかと思っていました。
      恋愛感情が女性的かつ男性的、のときということです。
      甘えたいけど守りたい、のような。
      あるいは、男女共通の感情であったり、
      性を感じさせたくなかったり、などもあるのではないでしょうか。

      関係ないですが、
      私は女ですが自ブログで「俺」自称をたまに使います。
      女性という先入観を持って欲しくないという気持ちのせいかと思っていましたが、
      ゆう先生の分析を読んでいて、
      強くなりたい願望の表れなのかなぁとも思いました。
      決意表明なんかに使うことが多いからです。
      「俺、来月までに○万貯めるんだ!」
      とかです。

      長々とすいませんでした。
      相談者の方の卒論の参考になれば幸いです。

    • 2008年12月27日 23:14
    • ゆこん
    • ゆう先生、はじめまして。
      いつも興味深く拝見させていただいています。

      今回の女性の「僕」称についてですが、
      中性的な視点で歌詞を書いたときに「僕」が出てくるのでは、と思いました。
      恋愛感情が女性的であり、男性的でもあるとき「僕」称が出るのではないでしょうか。
      甘えたいけど守りたい、のような。
      あるいは、女性的でもなく、男性的でもないとき、とも考えられます。

      恋歌の「僕」自称とは少し違う話になりますが、
      私は女ですがたまに自ブログで「俺」を使います。
      ゆう先生の分析を読んでいて、
      私の場合は強い人間になりたいことの表れなのかと思いました。
      決意表明のときなんかに使うことが多いからです。
      「俺、来月までに○十万貯めるんだ!」とかです。
      それと、女性という先入観をもって見て欲しくないという気持ちもあります。

      相談者の方の卒論の一助になれば幸いです。

    • 2008年12月27日 23:05
    • ゆこん
    • ゆう先生、はじめまして。
      いつも興味深く拝見させていただいています。

      今回の女性の「僕」称についてですが、
      中性的な視点で歌詞を書いたときに「僕」が出てくるのでは、と思いました。
      恋愛感情が女性的であり、男性的でもあるとき「僕」称が出るのではないでしょうか。
      甘えたいけど守りたい、のような。
      あるいは、女性的でもなく、男性的でもないとき、とも考えられます。

      恋歌の「僕」自称とは少し違う話になりますが、
      私は女ですがたまに自ブログで「俺」を使います。
      ゆう先生の分析を読んでいて、
      私の場合は強い人間になりたいことの表れなのかなぁと思いました。
      決意表明のときなんかに使うことが多いからです。
      「俺、来月までに○十万貯めるんだ!」とかです。
      それと、女性という先入観をもって見て欲しくないという気持ちもあります。

      相談者の方の卒論の一助になれば幸いです。

    • 2008年12月27日 23:04
    • ゆこん
    • 私は中学生の頃から
      自分を「ぼく」「おれ」って呼ぶことが多かったです。

      そのときは自分でもとくに意識はしなかったのですが

      大学生のとき同じく女の子が
      「ぼく」って呼んでいるのを聞いたときは
      かなり「かわいい♪」って思いました。

      自分ももしかしたら
      「自分をかわいく見せるために」
      「ぼく」って言ってたのかもしれないなって
      思いました。

    • 2008年12月27日 16:59
    • まきの
    • いわゆる性同一性障害(身体女/中身男)の者なのですが、
      自分が性同一性障害だと認識する前に詩を書いていたとき、無意識に一人称を「僕」「自分」としていたことを思いだしました。
      参考までに。

      しもべ遊び面白いですねぇ。

    • 2008年12月27日 13:22
    • 舟八
    • 女性が論じた方が説得力がありますねぇ

    • 2008年12月27日 10:53
    • 女性が論じた方が説得力がありますねぇ

    • 2008年12月27日 10:52
    • 匿名
    • 前に、誰か(歌手)が言っていたような気がしますが、私というよりは、僕とした方が、客観的に見ることができるからだそうです。

    • 2008年12月27日 07:00
    • ぽー
    • 「私」は上下の無い一人称ですが、「僕」は自分を遜って言う言葉。対して「君」は相手を敬って言う言葉。

      これから察するに、自分を落として相手を持ち上げることによって、相手の尊さを最大限に表す気持ちがあるのではないでしょうか?

    • 2008年12月27日 04:36
    • 嘘月
    • 「私」は上下の無い一人称ですが、「僕」は自分を遜って言う言葉。対して「君」は相手を敬って言う言葉。

      これらから察するに、自分を落として相手を持ち上げることによって、相手の尊さを最大限に表す気持ちがあるのではないでしょうか?

    • 2008年12月27日 04:35
    • 嘘月
    • 私の考えとしては、歌詞の中での『僕』というのは自分の理想の塊りであり、一種のナルシズムの様なものだと思います。
      恋の歌で一人称が『僕』ならば相手の『君』は普通であれば女性、少なくとも男性の書く詞は大抵そうです。
      ですが女性の書く詞には得てして男性同士、女性同士のように感じる歌詞が少なくなく、
      彼女達はそこに自分の普段の世界とは違う、秘密めいた甘美さや夢を描いているのではないでしょうか。
      男になりたい、と思う女性はとどのつまり男性への憧れを断ち切れないのです。
      異性への興味はある、けれど男女の異性間の恋愛や行為はやらしいと思って気が引けるし、気恥ずかしさや抵抗がある。
      そういったプレッシャーを回避するための手段として、自分を男性に投影し、自分の中で合法的に男性との恋愛や行為に興じるのではないかとわたしは思います。
      ・・・まあこの考えは思春期のお嬢さん方に当てはまる考えであって、林檎さんに当てはまるかは微妙ですが(笑)

    • 2008年12月26日 19:13
    • ねこじゃらし
    • いわゆる「男歌(おとこうた)」「女歌(おんなうた)」だと思いますが・・・。
      演歌や歌謡曲には、よくあることですよね。
      (その場合は歌手と作家は別のことが多いのですが)

      歌手本人の気持ちとして歌っているのではなく、たとえば
      作詞するにあたり、この歌の主人公を男性と設定し
      「この主人公なら、こう考えるだろう」といったことを書いていくわけです。
      もちろん魅力的な、共感できる主人公にしなければいけませんので
      女性が男歌を書く場合は、「自分だったら、好きな人にこんなふうに
      言われたらうれしいな」ということを書くと思います。

      シンガーソングライターの場合は自分の考え方でばかり書いていると
      ネタがなくなってくるので、主人公を自分以外にすることも
      あるのではないでしょうか・・。

    • 2008年12月26日 09:54
    • まあ
    • いわゆる「男歌(おとこうた)」「女歌(おんなうた)」だと思いますが・・・。
      演歌や歌謡曲には、よくあることですよね。
      (その場合は歌手と作家は別のことが多いのですが)

      歌手本人の気持ちとして歌っているのではなく、たとえば
      作詞するにあたり、この歌の主人公を男性と設定し
      「この主人公なら、こう考えるだろう」といったことを書いていくわけです。
      もちろん魅力的な、共感できる主人公にしなければいけませんので
      女性が男歌を書く場合は、「自分だったら、好きな人にこんなふうに
      言われたらうれしいな」ということを書くと思います。

      シンガーソングライターの場合は自分の考え方でばかり書いていると
      ネタがなくなってくるので、主人公を自分以外にすることも
      あるのではないでしょうか・・。

    • 2008年12月26日 09:46
    • まあ
    • いわゆる「男歌(おとこうた)」「女歌(おんなうた)」だと思いますが・・・。
      演歌や歌謡曲には、よくあることですよね。
      (その場合は歌手と作家は別のことが多いのですが)

      歌手本人の気持ちとして歌っているのではなく、たとえば
      作詞するにあたり、この歌の主人公を男性と設定し
      「この主人公なら、こう考えるだろう」といったことを書いていくわけです。
      もちろん魅力的な、共感できる主人公にしなければいけませんので
      女性が男歌を書く場合は、「自分だったら、好きな人にこんなふうに
      言われたらうれしいな」ということを書くと思います。

      シンガーソングライターの場合は自分の考え方でばかり書いていると
      ネタがなくなってくるので、主人公を自分以外にすることも
      あるのではないでしょうか・・。

    • 2008年12月26日 09:40
    • maa
    • 何を隠そう、私も小学生に上がるまでは
      自分のことを「僕」と言っていました。
      兄がいたし、近所の友達も男の子ばかり、
      着ている服は兄のおさがりばかりだったので、「僕」と呼ぶのが自然だったのですね。
      しかも「わたし」というのは、
      あまりにも女性っぽくて、
      いじめられている女の子を男子から守ってみたり、正義感も強くて行動派の、
      まさに「男まさり」の
      私には「わたし」と自分のことを呼ぶのは
      恥ずかしく感じました。

      そういった気持ちを椎名林檎さんが
      今でも持っているのかもしれませんね。

    • 2008年12月26日 00:17
    • ゆう
    • 「僕は僕」心理テスト

      ぼくはぼく→正常
      ぼくはしもべ→ドM
      しもべはぼく→自己顕示欲が強いドM
      しもべはしもべ→ゆうメンタルクリニックへ!

    • 2008年12月25日 23:16
    • ぼくはしもべ
    • ゆう先生、素晴らしいです!
      「ぼく」を「しもべ」と打って変換する禁断の遊びを、早速私も実践してみました。
      …。
      …。
      やっぱクリスマスにすると、ダメージおっきいですー。

      そういえば、私の友達にも自分を「ぼく」と呼ぶ女子がいました。
      ボーイッシュで、自分は一生独り者だと言って、今もそれを貫いているようです。
      でも彼氏はいたりしました。時々スカートをはいて、自分のスレンダーな足の美しさをちょっと自慢したりして。
      彼女の中に同居する2つのものを眺めては、個性的な友達を持てて楽しいな、と思ったものです。
      懐かしい。

    • 2008年12月25日 16:17
    • りんどう
    • あくまで私の考えですが、少女時代特有の「男の子になりたい気持ち」ではないでしょうか。
      大人になってからボクという女性は見かけませんし。
      ミュージシャンのかたの感性はわかりませんが、昔の自分の事を歌っているのかも知れません。

    • 2008年12月25日 15:50
    • みそら
    • 「僕は」を「しもべは」と打つ、という禁断の遊び、面白すぎです。

      ゆう先生のドMっぷりにハマります。


      ・・・ボク(あえてカタカナで)はオトコなので、勘違いしないでください。

    • 2008年12月25日 14:56
    • もす
    • ゆう先生、素晴らしいです!
      「ぼく」を「しもべ」と打って変換する禁断の遊びを、早速私も実践してみました。
      …。
      …。
      やっぱクリスマスにするもんじゃないですねー。

      そういえば、私の友達にも自分を「ぼく」と呼ぶ女子がいました。
      彼女が自分を「あたし」と言うのを聞いた事がありません。ボーイッシュで、自分は一生独り者だと言って、それを貫こうとしています。
      でも彼氏はいたりするんですけどね。時々スカートをはいて、自分のスレンダーな足の美しさをちょっと自慢したりして。
      彼女の相反するものを、私も楽しんだものです。懐かしい。

    • 2008年12月25日 09:51
    • りんどう
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