酒好きの心、下戸知らずとは言いますが…

今回は会社の上司のことでご相談です。

上司（34歳）はちょっと頼りない中間管理職。下からは問題が持ち込まれ、上からはどやされるという、日々心の休まる時がない状況です。

そんな彼は飲酒で気を紛らわせているのか、また一体どういう飲み方をしているか分かりませんが、とにかくひどく酒臭いのです。

臭いが気になる、というのはもちろんですが、上司の健康状態も気がかりです。
この頃特に具合が悪そうで、病院にも通っているようです。

人様の嗜好をとやかく言うつもりはありませんが、なんとか上司にお酒を控えてもらうようにして欲しいのです。
あいにく私はお酒が飲めないので、どうすればいいのか効果的な方法がわかりません。

より良い職場環境のためにも、どうかよろしくおねがいします。

【30歳　事務員】

では真剣にお答えしましょう。
その場合はですね、お茶を飲むといいようです。
また歯みがきをきちんとすることも大切。特に舌まで磨くことが大事です。そうすれば、口臭も目立たなくなりますよ。

…って根本的な解決になってないよご隠居！

………。
えー。あなたのご相談のタイトルが落語の前口上みたいだったので、僕も大喜利みたいなノリではじめてみました。

はい、では極限的に真剣にお答えします。

実際に調べてみましたが、「飲み過ぎ」以外にも、口臭からお酒のにおいがすることはあるようです。
ストレスや体内の細菌などが関係しているようです。
ですので「100％ただの飲み過ぎ」と決めつけるのは酷かもしれません。

よって、試しにご本人に聞いてみてはどうでしょうか。

「なんか、お酒のいいにおいがしますけど、昨日はよく飲まれたんですか？」

ここでは「いいにおい」や「よく飲まれた」という言い方がポイントです。
特に男性は女性の言葉に悪い意味で敏感です。ちょっとしたひと言でも、「否定されてる！」と思うことは確実。

「お酒のにおいがする」「飲み過ぎですか？」
といったりすれば、
「飲み過ぎなんだよこのスカタン（死語）！」
とまでいわれているように感じてしまいます。

とにかく言葉は優しく、そして丁寧に。
さらに相手の返答をよく聞いてあげてください。
「そうなんだ…」とか「ストレスがあってね」というようにハッキリと話すこともあるでしょうし、
「いや、ちょっとね…」
と隠すこともあるでしょう。

いずれにしても、あなたがそれにたいして伝える言葉はたった一つ。

「そうですか…。私、山田係長のお体のこと、心配なんです…」

これだけで山田さん胸きゅーん。
（名前は書いてありませんでしたので適当に名付けました）

「心配してくれている人がいる」
それがストレスであっても飲み過ぎであっても、または何らかの疾患であっても、それほど気持ちが安らぐことはありません。
それこそが、彼にとって、もっとも重くなく、そして同時にもっとも適切な治療法のような気がします。

お二人から無事に心配がなくなって。
彼の中のアルコールが、あなたへのラブコールにかわりますことを、心より願っております。

ゆうきゆう（精神科医・心理学者・作家・Ｍ）

特技は、たて笛のテストを口笛でごまかすこと。趣味はバンジージャンプ。落ちるときの情けない顔は天下一品。夢はワイルドブルーヨコハマの跡地を買い取って、セクシーピンクヨコハマにすること。読者数138000人のメルマガ「セクシー心理学」を運営している。アドレスはこちらhttp://sinri.net/

ニンテンドーＤＳから「心理研究家ゆうきゆう監修　マイニチココロビクス　ＤＳセラピー」も発売中。

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