他人からのプレゼントが苦痛です。

私は整理整頓が大好きで、自分の部屋がキレイでないと気が済みません。
自分で取捨選択した好きなモノに囲まれる事が至福なのです。

そんな私は『他人からのプレゼント』が苦痛です。

私が必要としたモノ、消耗品以外は全く喜べません。
むしろ怒りをおぼえます。
ストライクゾーンがミクロの世界なんです。

身近な家族に手放しで「いらない！」と言ってしまった時、「異常なんじゃないの？」と言われ、ショックを受けました。
以後、家族には「欲しいモノリスト」を出すことで自他共に均衡を保っています。

しかし、血の繋がりのない他人には通用しません。
何故なら私の欲しいモノが例えば「トイレットペーパー」等、あまりにも生活臭が滲み出ているモノのため、ギャグだとしか受け取られないのです。

かわりにぬいぐるみだの、キーホルダーだの、いらないモノをくれます。
表面上では一応感謝をのべますが、やっぱり嬉しくありません。

その後、不要なモノはリサイクルショップに売ったり、廃品回収に出したりしますが、その作業も苦痛なんです。
「こんなもの貰わなければ、こんな手間かかんないのに…」と逆恨みし始めます。

どうしたら『プレゼント』に対して、喜べるようになるのでしょうか？

【24歳　フリーター】

ご相談、ありがとうございました。

実際にこういう感じ方に関しては、簡単に変えられない部分があります。
それこそ高所恐怖症の人を治療するようなもので、大変な時間と手間がかかります。

ですので僕の考える対策は３つ。

一つは、「気に入らないもの」を、そのまま家族やべつの友人などにあげてしまうこと。
これはそう手間もかからないでしょうし、プレゼントをくれた人はあなたに受け取ってもらえて喜び、またあなたからもらった人も喜ぶので、あなたの評価はガンガンあがっていきます。

とはいえ「●●ちゃんに愛を込めて」というようなメッセージが彫り込んであったりすると使えません。

もう一つの対策は、あなたの部屋の押し入れなどに「何でもスペース」を作ること。

それこそ多国籍軍のキャンプのように、あなたの「いらないもの」を詰め込むのです。秩序ばかりでは、人は息苦しくなるもの。ときにそんな混沌とした場所を見ることで、気持ちがラクになることもあるでしょう。

最後の対策は、どんなプレゼントであっても、とにかく「ありがとう！」と言ってしまうこと。セリフから気持ちが変わってくることもあるものです。

以上の対策をやっても何らムカつきが変わらなければ、ちょっぴりお手上げかもしれません。

でも、僕はあなたの文を見ていて思います。
たとえば、このフレーズ。

「手放しで『いらない！』と言ってしまった」

衝撃的でした。

手放しで大喜び、という言葉は聞いたことがあるのですが。世界の中心で叫ぶレベルの「いらない！」だったのでしょうか。

また
「ストライクゾーンがミクロの世界なんです。」
とか
「自他共に均衡を保っています。」
というようなセンスのある言葉の選定からも、あなたの言語能力の高さが伺えます。

文もまとまっていてウィットに飛んでいて、このご相談の内容からも、あなたの整理整頓・綺麗に保つ性格が感じられます。フリーターなのが不思議なくらいです。作家さんを目指してみてもいいのではないでしょうか。

実際に人間のメンタル面は、短所だけでなく長所もあわせもって存在するもの。
この文章能力の高さは、その綺麗好きな面から派生しているものではないでしょうか。

すなわちもしあなたが「余計なものをもらって喜べる」性格になってしまったら、あなたの文章力も落ちてしまう可能性もあります。

ですので、とにかく自信を持って、その性格をつらぬいてもいいのです。

僕はそんな言葉を、あなたへのプレゼントとして贈ります。

僕のこの言葉が、そのままリサイクルショップや廃品回収に出されないことを願いつつ、あなたの幸せを、心より願っております。

ゆうきゆう（精神科医・心理学者・作家・Ｍ）

特技は、たて笛のテストを口笛でごまかすこと。趣味はバンジージャンプ。落ちるときの情けない顔は天下一品。夢はワイルドブルーヨコハマの跡地を買い取って、セクシーピンクヨコハマにすること。読者数138000人のメルマガ「セクシー心理学」を運営している。アドレスはこちらhttp://sinri.net/

ニンテンドーＤＳから「心理研究家ゆうきゆう監修　マイニチココロビクス　ＤＳセラピー」も発売中。

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