追う恋より、追われる恋を優先すべき？

ゆう先生こんにちは！
ご相談です！

好きな人に好きになってもらえるように努力するより、自分を好きだといってくれる人と付き合う方がいいのかな、と最近悩んでいます。

私はこれといった特徴も主張もないつまらない人間なのですが、唯一誇れることは、人の話を黙って聞いて受け入れ、相手の気持ちをラクにできることです。
カウンセリングめいたことを普段の会話でしていると思います。

私が好きになる、穏やかで繊細な男性にとっては、私の無個性っぷりは、恋愛対象にならないようなのですが、典型的な一人っ子タイプ＝自分が好きで好きで仕方ない男性にとっては、話を聞いてくれる私が心地よく映るようで、情熱を傾けてきます。

でも、
「私自身に興味をもっているわけではないんだろうな。もし付き合っても、すぐに飽きるんだろうな」
と思って、今まで断ってきました。

相手を吟味しているうちに、彼氏いない歴がもうすぐ２年になろうとしています。
たとえ長く続かないかもしれなくても、好きだと言ってくれる人と付き合ってみるべきでしょうか？
悩んでます。

【23歳　学生】

ご相談ありがとうございました。

「自分が好きな人を追うべきか」。
「自分を好いてくれる人に追われるべきか」。

なかなかに深い問題です。

シェイクスピアの四大悲劇のひとつ「ハムレット」の中のセリフ、

「生きるべきか死すべきか。それが問題だ」を思い出します。

自分は優柔不断なので「半死半生」みたいな答えを出すと思うのですが、たぶん僕の存在こそが一番の悲劇だと思います。

さて、ここで考えてみましょう。
たとえば、

「自分が好きな人を追う」

というのは、うまく行けばスペシャルな相手をゲットできますが、そうなるかどうかは確率的に半々。もちろんターゲットの相手のレベルによっては、菊花賞で大穴を当てるのと同じくらい大変な可能性もあります。

また、

「自分を好いてくれる人に追われる」

これは安全ではありますが、刺激も少なく、時として満たされない気持ちに見舞われることもあるでしょう。

こんな風に、両者、デメリット・メリットの両方があります。

おそらくこれは、今まで、全人類が悩んできた道だと思います。

たとえば、試験で考えてみましょう。

全国模試で数学が10000位の人は、9999位や9998位など、少しでもランクをあげようと頑張ります。
10位の人だって、９位や８位など、同じように少しでもランクをあげようとします。

１位の人は悩まなさそうですが、それでも他の教科でも１位というわけにはいかないはず。そのため、少しでも順位を上げようと頑張ります。

これは「恋愛」や「結婚」でも同じ。

人間が、ビジュアル・知性・地位・お金などで、どんなレベルにあろうと、自分より少しでもレベルの高い人と子供を作ろうとして頑張るものです。

すなわち「競争に勝つか」「妥協するか」というのは、全歴史・全人類が悩む究極の選択なのです。

ですので「自分一人がつらいんだ…」なんて思う必要はありません。

さて、では、あなたはどちらを選ぶべきなのでしょうか？

個人的に思うのですが、先ほどのハムレットの「生きるか死ぬか」というような問題は二者択一ですが、現実では、「両者とも選ぶ」というのが可能なのではないかと思います。

すなわち、普段は、とにかく「つきあって！」と求めてくる相手と、とりあえずつきあってみる。

実際に人間は、第一印象だけでは分からない魅力だって、たくさんあるはず。
つきあっていく中で、「あ、この人やっぱりイイかも…」と思うことだってあるはずです。

その結果、妥協していて掘った場所が、実は金の鉱脈だったりするかもしれません。

まぁ、第一印象が死ぬまで変わらない可能性もあります。
しかしその場合も、「私には恋人がいる」というのは、あなたを無意識に輝かせます。

クリスマスやバレンタインに、週刊誌が恋人特集をしているときに、自分の中の劣等感に言い訳をする必要がなくなるため、ストレスも減るでしょう。

その無意識のオーラによって、よりイイ男が、あなたの側に寄ってくる可能性もあるでしょう。

そのときに乗り換えるのも、決して悪いことではないかと思います。

というわけで、とりあえずつきあっておく、というのが一番な気がします。
男性である自分の立場で思いますが、一刀両断でフラれるよりは、とりあえずでもつきあってもらった方が、嬉しいです。うん。

………。

そんなわけで、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。

ちなみにシェイクスピアの四大悲劇は「オセロ」「リア王」「マクベス」「ハムレット」ですが、ゆうきゆうの四大悲劇は、「優柔不断」「弱気」「挙動不審」「ミトコンドリア」です。

色々とブルーになりつつも、あなたのあなたの幸せを心より願っております。

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ゆうきゆう（精神科医・心理学者・作家・Ｍ）

特技は、たて笛のテストを口笛でごまかすこと。趣味はバンジージャンプ。落ちるときの情けない顔は天下一品。夢はワイルドブルーヨコハマの跡地を買い取って、セクシーピンクヨコハマにすること。読者数138000人のメルマガ「セクシー心理学」を運営している。アドレスはこちらhttp://sinri.net/

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