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自分の遺伝子を継いでない子供を愛せますか?

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自分の本心を知る方法を教えてください。
私達夫婦は共に遺伝子の研究を仕事にしていて、私達の子供にどんな表現型が現れるか
とても興味を持っていました。

高齢で結婚したので、結婚後すぐに不妊治療をしてきましたが成功しませんでした。
そこで、自分の遺伝子は残せなくても、せめて大好きな夫の遺伝子を残したいし、
私が彼の遺伝子を継ぐ子を産んで、その子を育てたいと思ったので、卵子提供を受けることにしました。

でも時々、あれほど自分の遺伝子にこだわっていた自分が、
本当に本気で夫と他人の遺伝子を持った受精卵を体内に受け入れ、
産んで育てようとしているのか疑問に思ったりします。
本当は嫌なのに、自分の遺伝子を残せないことで自虐的になっているのではないかと疑ったりします。
私は本当に喜んで卵子提供を受けようと思っているのでしょうか?
生まれてくる子を愛し、育てる資格はあるのでしょうか?
教えてください。

【41歳 研究員】

ゆう先生の回答

ご相談、本当にありがとうございました。

「あなたは、岐路岐路クリニックで相談した結果生まれたのよ」

というのはちょっと責任重大すぎるので、参考程度にお考えください。

さてポイントをまとめますと、

「自分の遺伝子を継いでいない子供を愛せるか?」

ということに行き着きます。
ここで考えてみましょう。

実際に精神科では、ある人の性格形成は、「遺伝子」だけではなく、それ以上に「環境」で左右されると言われています。

たとえばどんなに優秀な人の子であっても、恐ろしく過酷な状況で育てられたら、どんどん自信を失い、何をするにも消極的になってしまうかもしれません。

たとえば、おかたづけをしたら、
「何してるの、バカ」。

お母さんのお手伝いをしたら、
「余計なことすんじゃないわよ、バカ」。

だからって何もしなかったら、
「何かしなさいよ、バカ」。

テストで頑張ったら、
「調子くれてんじゃないわよ、バカ」。

これを繰り返したら、たぶんどんなコでも恐ろしく無気力になるかと思います。自分もそうなる自信があります。これを心理学では「学習的無気力」と呼びます。

たまに、
「余計なことすんじゃないわよ、モヘンジョダロ」
みたいにまったく意味不明な罵倒をするのも、混乱させるという意味で効果的です。

例が極端で申し訳ありませんが、とにかく言いたいことが伝われば幸いです。

これが逆ならどうでしょうか。
実際に人間、どんなに微妙な人の子供であっても、すごく愛されて育てば、とても優しい人として成人します。
また優秀な家庭教師をつけて、すごくいい育て方をすれば、やはりデキる人に育ちます。

大切なのは、遺伝子以上に「育ち方」なのです。

それこそ、デキる人は、子供にもデキる育て方をするから、子供がデキる人になり、優しい人は、同じように子供にも優しく接するから、同じような子供に育つだけなのです。

そしてその記憶は、さらに本人が子供を持ったとき、そのまま伝えていくことになります。

遺伝子は確かに重要ではありますが、「接し方」や「環境」は、同じようにその本人を塗り替えていきます。
それが、さらに子供にそのまま伝わっていく…と考えれば、それも含めて、広い意味で「遺伝する」と考えていただいてもいいかもしれません。

美辞麗句でも何でもなく、あなたが「子供だ」として育てるなら、遺伝子に関係なく、あなたの子供として育っていくのです。

もちろん、「ご相談者さんの本心は何か?」「資格はあるか?」と聞かれたら、それに関して即答することはできません。

ただ今回の話が、参考の一つにでもなれば幸いです。


ちなみに自分は、どんな子供を養子として迎えても、バスト大好きな子供に育てる自信があります。
乳を超える、いや父を超えるバスト好きになってみろ、と思います。

自分の存在意義についてあらためて疑問を抱きつつ、あなたの幸せを心より願っております。

プロフィール
ゆうきゆう(精神科医・心理学者・作家・M)

特技は、たて笛のテストを口笛でごまかすこと。 趣味はバンジージャンプ。落ちるときの情けない顔は天下一品。 夢はワイルドブルーヨコハマの跡地を買い取って、セクシーピンクヨコハマにすること。読者数138000人のメルマガ「セクシー心理学」を運営している。 アドレスはこちらhttp://sinri.net/

ニンテンドーDSから「心理研究家ゆうきゆう監修 マイニチココロビクス DSセラピー」も発売中。

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コメント
    • >たとえば、おかたづけをしたら、
      「何してるの、バカ」。

      >お母さんのお手伝いをしたら、
      「余計なことすんじゃないわよ、バカ」。

      >だからって何もしなかったら、
      「何かしなさいよ、バカ」。

      >テストで頑張ったら、
      「調子くれてんじゃないわよ、バカ」。

      私はまさにこう言われて育ちました。
      そんな私が自分の子供を欲しいと思うはずがありません。
      私は死んでも子供を産みません。

    • 2008年10月11日 09:25
    • るみ。
    • 養子縁組で、 赤ちゃんの頃から、 養子を育てた
      家族をいっぱい知っています。

      ここは、 アメリカですが、 子供に、
      自分の遺伝子をもっていない事を、ちゃんと
      告げた上で、 どんなに、その子供を
      愛してるか伝えながら、 とても
      素晴らしい家族をつくっています。

      自分の遺伝子を持つ子供を育てたって、うまくいかない
      親子関係になってしまう家族も少なくないです。

      誰かを守って、 育てて、 愛して、、、って
      するのに、 自分の遺伝子がなきゃ、、、って事は、
      無いと思います。

      誰の遺伝子だから、、、じゃなくて、

      一人の人間として、 子供を愛してあげたらいいと思います。

    • 2008年10月07日 14:41
    • G-mama
    • 夫と自分の子どもが二人います。
      それでも先生のお話を拝見して、果たしてきちんと育てているのかなあ?と思います。
      遺伝子ももちろん大事かもしれませんがやはり接し方・育て方ですね。
      私は子どもを褒めるとき「さすが我が息子♪」と言ってます。長男にはずっとそうしてきました。すると長男がいつのまにか次男を「さすが我が弟♪」と褒めるようになったのです。先生のおっしゃる通り、「そしてその記憶は、さらに本人が子供を持ったとき、そのまま伝えていくことになります。」そのものなのです。
      相談者さんも、自信を持って「さすがママの子ね」と言ってあげていいと思いますよ。頑張ってほしいなあと思います。

    • 2008年10月07日 08:38
    • 金色の女将
    • 遺伝子を残すってことにこだわるから、とらわれるのだと思います。
      まったくとらわれないで、子育てをするのなら、里子をとる方法がベストだと私は思います。
      どんな方法にしろ、遺伝子とは関係なく、人は人を愛せます。恋愛だって基本的にそうじゃないですか?
      遺伝子にとらわれず、子育てを楽しんで欲しいです。

    • 2008年10月04日 10:39
    • 山川海人
    • できれば私は産んでいただきたいな〜と思います。
      私は激しく自分の性格が嫌いなので(笑)いっそ卵子提供を受けて大好きなだんな様(未来の・汗)と好きになれるかもしれない誰かのを半々受け継いでくれたら、かえって気楽にスキだとその子にいえるかもしれないとか困った思想の持ち主です。

      生む前から既に愛したいなぁ愛せるかなぁとイッパイ悩んでもらえてる時点で、生まれる前からその子はシアワセな気がします。
      子どもを生んだことない人間の私見ですが…

    • 2008年10月03日 06:51
    • ろくがつ
    • 私も40歳近くで再婚して、近頃(私は43歳)、「子供が欲しいね」なんて、なりだしたのですが、
      どうやら、「産む」のは無理そうです。
      養子を考えてもいますが、「親」になれるんだろうか、
      と、疑問と言うか、不安と言うか。。。
      子供に恵まれなかったのは、神様の思し召しかも、と思うと、
      私達には資格が無かったのかも、と思いもします。
      ゆう先生のアドバイスに、勇気付けられました。ありがとう御座います。

    • 2008年10月03日 02:44
    • せいらん
    • いままで読んだ中で一番ココロに染みた。ええハナシやなあ。ありがとう。

    • 2008年10月02日 19:13
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