妄想力が強くて困っています。

はじめまして、ゆう先生。
今、困っている事があるので相談させてください。

私、妄想力が強すぎるみたいなんです。
駅から家まで歩く時に考え事をしていると、のめり込んでしまいハッと気づくと家の近くにいたりするんです。
のめり込み過ぎて五感が吹っ飛んでしまうんです。

思い出そうとしても、その間に何を見聞きしていたのか分らないんです。
車がいたらと思うとゾッとします。
他にも学校の授業中や小説を読んでいるときなど、話の内容が頭の中で勝手に広がり、気がつくと結構な時間がたっています。
それで授業を聞き逃したり、板書をとり逃したり。

小説にいたっては、数時間で数ページしか読み進められなかったりするんです。
友人に相談してもそんな事はあり得ないと言われてしまい…。

普通はそんな事ないものなんでしょうか？
どうかひとつ対処法をご教授くださいませ。

【17歳　学生】

非常に親近感のあるご相談、本当にありがとうございました。
まず「車がいたらと思うとゾッとします。」とありますが、実際に人間というのはよくできていて、そういう緊急事態には「ハッ」と気がついて動くことができますのでご安心ください。

妄想しつつも家にはちゃんと帰り着いているわけで、最低限の理性は働いていますので大丈夫なはずです。（100％の保証はできません）

実際に古来からの「天才」には、そういう人は数多くいました。

エジソン・ガリレオ・アルキメデスなどなど…。
何かの思考に夢中になると、それ以外のことはまったく眼中になくなるもの。
だからこそ何かを成し遂げることができたわけです。

とはいえ妄想をするからといって＝必ず天才になれる、というものではありませんのでご注意下さい。僕のように単なる妄想ミトコンドリアになる危険性もあります。

実際に自分自身、本を読んでいて、突然妄想の世界に入り込むことはあります。

たとえば「主人公が、ヒロインに告白した」というくだりがあったら、

「そうそう、告白したときにこういうことってあるよねぇ。そう言えば自分が昔、告白したときも、なかなか返事もらえなくて切なかったなぁ。
切ないといえば最近ドイツに行ったときも…。ドイツといえば、あの国旗ってどういう意味なんだろう…。意味が分からないといえば、最近テレビでやっていた…」

というように、まさにエンドレス妄想思考がスタートします。

そのため１時間に１ページという、驚異の遅読スピードとなることも多々あります。たぶん幼稚園児ももっと早く読むと思います。

とはいえ自分の場合、この妄想の中からメルマガや本のネタになるものが思いつくこともあります。
「ただ単に本を読んだ」だけではネタにならないこともあるので、そういう意味では仕事として役に立ってはいます。

というわけであなたも、何かそういう妄想を仕事に使えるような職種についてみてはいかがでしょうか。
僕のようなライティング業など、何でも構いません。
商品開発でも「こういうことがあったら便利だなぁ」という妄想から始まるわけで、そういう思考が生きる仕事はたくさんあるはずです。

また妄想をするからには「現在のものがあまり面白くない」と考えている可能性もあります。あなたにとって面白くない授業などをひたすら聞くより、ずっと将来に役立つはずです。

というわけで、結論としては、「いかに妄想をやめるか」よりも、「いかに妄想時間が過ぎ去ったとしてもダメージが少ないようにしておくか」を考えた方がいいかもしれません。

とにかく友人と仲良くして、取り損ねたノートを見させてもらうようにしておく。
街を歩くときは、とにかく壁際を歩くクセをつけておく。（万一のときのダメージは減るはずです）

自己正当化に終始した回答だと自分でも思いますが、あなたに何か少しでも参考になることがあれば幸いです。

この回答を書く途中も妄想世界に入り込んだために締め切りを大幅オーバーした自分ですが、あなたの幸せを心より願っております。

ゆうきゆう（精神科医・心理学者・作家・Ｍ）

特技は、たて笛のテストを口笛でごまかすこと。趣味はバンジージャンプ。落ちるときの情けない顔は天下一品。夢はワイルドブルーヨコハマの跡地を買い取って、セクシーピンクヨコハマにすること。読者数138000人のメルマガ「セクシー心理学」を運営している。アドレスはこちらhttp://sinri.net/

ニンテンドーＤＳから「心理研究家ゆうきゆう監修　マイニチココロビクス　ＤＳセラピー」も発売中。

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