疲れると、誰かに触られてるように感じます。

ゆう先生、こんにちは。今日はちょっと困った相談です。

私は疲れたな～と思うと誰かに触られてるような感じがするので困っています。
腕とか足とか、優しくなでられてる感じなんですが気味が悪くてたまりません。
以前は背中から羽が生えた感じがすることもあったのですが…。

これがすべて思い込みによるものであるなら、
自分の妄想力をもっと違う方向に活かしたいです。
何か一筋の光を与えてくれるような回答をぜひお願いします!!

【20歳　学生】

ご相談ありがとうございました。

実際、精神医学では「体感幻覚」というものがあります。

聞こえないものが聞こえる「幻聴」や、見えないものが見える「幻視」の、「触覚バージョン」とも言えるものです。

訴えはさまざまで、「ゾワゾワする」「グワグワする」という患者さんもいます。

研修医のころに「グワグワする、とのこと」と、そのまんまカルテに記載していたところ、先輩のドクターに「それは、体感幻覚と書くように」と言われました。

いずれにしても、症状の一つです。

ただもちろん、あなたのように「疲れたときだけそう感じる」レベルなら、即病気というワケではありません。

ものすごくノドが乾いたときに、見えないオアシスが見えるようなものです。
ものすごく女性に飢えたときに、萌え萌え妖精が見えるようなものです。

たとえのせいで非常に微妙ですが、とにかくそんなに心配することはないと思います。

思うに、疲労によって思考力・論理力が極度にゆるみ、ものすごく直感的かつ文学的に、自分の状態を感じてしまっているのではないでしょうか。

たとえば、

「疲れる」⇒「血行不良」⇒「熱が伝わらず、手足が寒く感じる」⇒「ゾクゾク感」⇒「人に触られたときに似てる！」

という思考をしている可能性もあります。

また、

「疲れる」⇒「血行不良」⇒「背中の感覚が鈍くなる」⇒「あれ？　なんかヘンな感じ！」⇒「もしかして浮いてるっぽい！？」⇒「羽が生えてる！」

という思考をしている可能性もあります。論理がどんどん強引になってきた気がしますが、そのあたりはスルーでお願いできれば幸いです。何より自分が疲れているのかもしれません。

いずれにしても、そこまで心配ありません。

もしそのパワーを違う方向に生かしたいのでしたら、小説を書くなどいかがでしょうか。一つ一つの感覚をメモしておいて、表現として使ってみましょう。

「私は疲労のあまり、羽が生えたようだった。」
「彼女は疲れ切り、愛撫されるかのようにベッドに横になった。」

新しい。表現として新しすぎます。
激しくニューな文学ジャンルを切り開けるかもしれません。
頑張ってください。

こんなことばかり考える自分の脳みそに羽が生えてる気がしつつも、あなたの幸せを心より願っております。

ゆうきゆう（精神科医・心理学者・作家・Ｍ）

特技は、たて笛のテストを口笛でごまかすこと。趣味はバンジージャンプ。落ちるときの情けない顔は天下一品。夢はワイルドブルーヨコハマの跡地を買い取って、セクシーピンクヨコハマにすること。読者数138000人のメルマガ「セクシー心理学」を運営している。アドレスはこちらhttp://sinri.net/

ニンテンドーＤＳから「心理研究家ゆうきゆう監修　マイニチココロビクス　ＤＳセラピー」も発売中。

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