彼がお金を使いたがらないんです。

私の彼は自分が本当に欲しいと思うものにしかお金を使いたがらないのです。それに家庭の事情でそんなにお金を使えません。

お金がかかることを予測して誘いを断られたりもするので、寂しいときがあります。
仕方のないことだと納得もできるのですが、私は逆にかなり自由になるお金があるので、ホテルなんかも（なかなか行けませんが）どうしても行きたいときは「私が出すから」といって行きます。

でも彼は私にだけお金を払わせたことが負担になるようなのです。
私としては、お金は出せるほうが出せばいいと思っているのですが…。

お金のかかるデートばかり望んでいるわけではないですが、少しでも彼の気持ちを軽くしてあげるにはどんな行動、どんな言葉で接するのがいいのでしょうか。

【29歳　公務員】

女性にお金を払ってもらう。
自慢じゃありませんが、僕はそんな経験がまったくありません。（本当に自慢じゃない）

逆に女性とデートするときは、「一緒に歩き代金」や「会話代金」とかも請求されるのではないかとビクビクしていたりします。
「こんにちは」で100円とか。１文字で20円。妙にリアルな金額です。
そうしたらたぶん、短くて済むように、答えは「はい」か「いいえ」で終わるような質問しかしないと思います。

妄想の中でも弱気な自分に愕然としながら本題に。

さて、男女間の場合、お金を払っている側の方が、気持ちは強まるものです。

「私は、こんなにお金を払ってしまった…」
→「どうしてだろう…」
→「それは、この人のことが好きだからだ」

という心理が働くからです。
このように、ちょっとした違和感によって、思考を変えてしまう傾向を、心理学では「認知的不協和理論」と呼びます。

逆に彼は、
「彼女がいつもお金を払ってくれようとする…」
→「それは、この人の方が、僕のことを好きだからだ」
と思うようになります。

よくホストの男性がお客の女性と食事に行った場合、ほとんどホストが払うことはありません。これも、より惚れさせようとする意図があるわけですね。

ですのでこれを繰り返している限り、あなたの思いは強まり、彼の気持ちはもしかしてやや冷えてしまう可能性もあるのです。

よって今度から、あなたがお金を払うときに彼がそれを気に病むようなら、
「じゃ、10円でもいいから払ってもらっていい？」

ということ。
イヤミにならないように、冗談ぽく言うのがベストです。
こういえば、おそらく持っている小銭程度は払うはず。
そうすれば彼の罪悪感は減るでしょうし、認知的不協和も起こりにくくなるでしょう。

とても簡単なセリフですが、効果は強いはず。ぜひ試してみてくださいね。

以前に神社でお賽銭を投げたとき、小銭だけならたいした金額じゃないと思って全部投げたら500円玉が３枚あって泣くほど後悔したことがありましたが、あなたと彼は、そんな多少のことで後悔しない、強い関係を作られることを心より願っております。

ゆうきゆう（精神科医・心理学者・作家・Ｍ）

特技は、たて笛のテストを口笛でごまかすこと。趣味はバンジージャンプ。落ちるときの情けない顔は天下一品。夢はワイルドブルーヨコハマの跡地を買い取って、セクシーピンクヨコハマにすること。読者数138000人のメルマガ「セクシー心理学」を運営している。アドレスはこちらhttp://sinri.net/

ニンテンドーＤＳから「心理研究家ゆうきゆう監修　マイニチココロビクス　ＤＳセラピー」も発売中。

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