私、サディスティックなんです。

攻撃的な自分をコントロールするには、どうしたらいいのでしょう？

この年で、自分をコントロールできないのはスゴく恥ずかしいのですが、特に心を許した相手に対して、感情的にいらだちをぶつけてしまいます。
大切にしなきゃいけない人に当たり散らし、どうでもいい人にいい顔しちゃう…内弁慶のような…。

また、私の愛情表現は“痛い”のです。

相手をいじめることに愛を見いだしてしまうと言うか…。
「いじめる」のが好きなのではなく、「いじめられても私を好きでいてくれる」のが嬉しいのだと思います。

これは自分の父が私にしてきたことで、すごくイヤなのでなおしたいのです。

どうしたらいいでしょう？

【21歳　学生】

ご相談、ありがとうございました。

…いや。まぁ。
男性によっては、「そういう人の方がいい」という人もいるかもしれません。

相談３行目にしてアブノーマルな道に引きずり込みそうになりながら、本題に行きましょう。

実際に適度な「意地悪」程度なら、愛情表現として通用しますが、露骨に「相手への攻撃」になると、逃げてしまう相手も多いはず。
でも、どうしてそんな行動を取ってしまうのでしょうか。

おそらく、あなたの中に、無意識に男性に対する「怒り」があるのかもしれません。
それはあなた自身が話されているように、お父様との葛藤から、生じている可能性も０ではありません。

そのため、「男は私のことを好きだといっているけど、本当は嫌いに違いない」と思い、そのためにわざと冷たく接することで、相手に「もう、ついていけない。別れたい」と考えさせ、「ほら、やっぱりね…」と思おうとしている可能性が大です。

これを心理学では「予言の自己成就」と言います。

…と。分析はこのくらいにして。

実際にあなたがその攻撃的な行動をやめたいのなら、とにかく「あと10分後にしよう」と思うこと。

「怒鳴りたい！」「怒りのメールを送りたい！」
そんなときは、とにかく10分待ってください。
先延ばしにすることで、無理なく気持ちをソフトにすることができます。

また、それでもどうしても怒りをぶつけてしまうのなら、その現実的なメリットを考えてみましょう。

実際に「いじめる」ことは、マイナス面だけではありません。
人間は、あるものをゲットするのに苦労すればするほど、その価値がさらに上がってくると言われています。
これを心理学では「甘いレモン」の論理と言います。

あぁっ！　ノドが渇いた！　お腹も減った！
あっ！　あそこに果物がある！
ちょっと高い木の上になっているけど、必死に登って食べよう！

よいしょ、よいしょ、よいしょ…！　や…やったぁっ！　ゲットした！

………ってええええ！　レモンじゃん、これ！　酸っぱいの、苦手なのに…！
うううう…。

…いや、そんな。これはレモンだけど、甘いに違いない。こんなに苦労したんだから………。

がじっ。

…ほら！　甘いよ！　なんかものすごく酸っぱいけど、その中にほんの少しの微々たる甘みが…！　おいしいなぁ～！

………というような。
こういう心理こそが「甘いレモン」の論理です。

なんか、状況説明だけでここまで行を使ってしまいました。
これが新聞とかの悩み相談だったら、絶対に不可能だったと思います。
あぁ。女子まぐで良かった。

そして、たぶんこれだけ長い説明を読んでしまったあなたは、そこまで苦労した手前、
「この回答はとても面白く、役に立つなぁ！」
と思うに違いありません。無理ですか。

いずれにしても、いじめることは、決してマイナス面だけではありません。
それを超えてまでついてきている人は、あなたのことを深く愛してくれるはずです。

色々と実体験済みですので、大丈夫です。はい。

………。
人のお悩みに回答すればするほど、より深く自分の人生について思いを馳せることが増えているような気がしながら、あなたの幸せを、心より願っております。

ゆうきゆう（精神科医・心理学者・作家・Ｍ）

特技は、たて笛のテストを口笛でごまかすこと。趣味はバンジージャンプ。落ちるときの情けない顔は天下一品。夢はワイルドブルーヨコハマの跡地を買い取って、セクシーピンクヨコハマにすること。読者数138000人のメルマガ「セクシー心理学」を運営している。アドレスはこちらhttp://sinri.net/

ニンテンドーＤＳから「心理研究家ゆうきゆう監修　マイニチココロビクス　ＤＳセラピー」も発売中。

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