不便な国に、ひとりぼっち。
現在、海外に住んでいます。
不便な国なので、食料を含め、いろいろ母親と妹に頼んだりしているのですが、「もう頼まないでよ!」と怒られます。
ネットで懸賞に応募したりもしているのですが、営業目的のところも多いらしく、家に電話が掛かってきたりするようです。
で、母親はキレてしまいました。「あまり振り回すな!」と。
どのようにして対処したらよいでしょうか?
【33歳 主婦】
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はい。ご相談ありがとうございました。
では、こんなお話を。少なくとも「懸賞」には必ずウラがあります。
ほら、懸賞を主催する側になって考えてみましょう。
わざわざ賞品を出して、それを広告を使ってまでキャンペーンを張って、さらに抽選をして、それを送る。
それをただのボランティアで行うわけはありませんね。
その主催がテレビなら「視聴者から見た、番組の感想・意見」。
雑誌なら「購読者から見た、連載の人気・不人気」。
そんな、お客さんからの「情報」がほしいからこそ、こんな手間とお金をつぎ込むわけです。当然ですが、「そのテレビ番組を見ていない人」や「そんな雑誌を見たこともない人」からの、「適当な意見」であれば、欲しくも何ともありません。
そこに情報としての価値はないからですね。そういえばここで思い出しましたが、僕は昔に「小学●年生」という一連の雑誌を読んでいました。
そこで、アンケートを兼ねた懸賞がありまして。
その中に、
「好きな野球選手は?」
というものがあったのです。僕自身、そのころからあまりスポーツに関心を示さない子で。
野球選手といったら、『はらてつのり』しか知りませんでした。
今なら分かりますが、正確には『原辰徳(はらたつのり)』です。ですので、とにかく「はらてつのり」「はらてつのり」「はらてつのり」と、何枚ものハガキに書いて応募した覚えがあります。
野球に思い切り興味がないのがバレバレです。たぶん編集部で集計する際に、「原辰徳 …○票」「はらてつのり …3票」というようにカウントされていたのかなぁ、と思うと、懸賞を主催する人って本当に大変だなぁと思いました。
そのせいかは知りませんが、プレゼントは当たりませんでした。さて、ここで考えてみましょう。
「誰でも応募できる」なおかつ「応募時に、たいした意見などを書かないでいい」という懸賞の場合はどうでしょうか。このとき、応募する人は何も提供していませんね。
はい。
ちょっと考えてみれば分かりますが、このとき応募する側が提供するのは「自分の個人情報」となります。
それがメールアドレスだったら広告が届く程度で済むかもしれませんが、電話や住所だったりすると大変です。
気をつけてください。「タダほど高いものはない」。
そしてだからこそ、
「人間のやりとりは、すべて等価交換である」。
それが僕の持論です。
懸賞登録のときは気をつけてください。さてここであなたのメインテーマに戻りましょう。
あなたは海外に住んでいて、家族に物資を送ってもらうように頼んでいる。
しかし家族は「もう頼まないでよ!」と怒る。これは上の考えをしてみると、当然のことになります。
家族にしてみれば、あなたに送るばかりで、何も帰ってこない状態。
最初のうちは、「私は娘のことを思う、優しい母・妹なんだ」というような満足感に浸れることが「報酬」になりえますが、しばらくすると、その気持ちにも飽きてきます。
その上、娘は勝手に懸賞に応募して、迷惑な電話までかかってくるようになりました。これはまったく等価ではありません。
お金を払って、ムチで叩かれるようなものです。一部の場所では商売として成り立ちますが、一般的には等価交換ではありませんね。
ですのであなたがするべきことは、たった一つ。
とにかく見返りをあげることです。「不便な海外の国」というのがどこかは分かりませんが、とにかく名産品などを送ってあげましょう。
「ここでしか取れない、ナマコのカラアゲなの」
「こっち限定発売の、ナマコのキティちゃん」…なんか海外の特産品というと、なぜかナマコばかりが頭に浮かびます。これは病気でしょうか。
いずれにしても、あなたから何かを送ってあげることが大切。
1回送ってもらったらこちらからも1回を心掛けてください。またそれが難しければ、単に「ありがとう! 助かった〜! とても嬉しかった!」というようなお礼の言葉でも構いません。
それでも十分に報酬になるはずです。覚えておいてくださいね。たぶん僕が「海外といえばナマコ」と思うのは、あるリゾートで綺麗な海に入ったとき、海の底にたくさんのナマコがあり、一緒にいた人が「ナマコばくだーん!」と称して投げつけてきた瞬間に勃発した「ナマコ戦争」が微妙にトラウマになったからと分析しつつ、あなたの幸せを、心より願っております。
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- ゆうきゆう(精神科医・心理学者・作家・M)
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特技は、たて笛のテストを口笛でごまかすこと。 趣味はバンジージャンプ。落ちるときの情けない顔は天下一品。 夢はワイルドブルーヨコハマの跡地を買い取って、セクシーピンクヨコハマにすること。読者数138000人のメルマガ「セクシー心理学」を運営している。 アドレスはこちらhttp://sinri.net/
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