大げさな夫の性格を直したい。

ゆう先生、こんにちは！
結婚して３年目になる旦那のことなのですが…。彼は言うことがなんでも大げさなんです。

ちょっと痛いだけでも大げさに痛がったり、ちょっと掃除しただけでも、
ものすごい大仕事したかのような話しぶり。
たいして食べてないのに死ぬほど食べたぐらいの勢いで話します。
カビの季節には、旦那いわく「カビのせいで家事が増えて死にそうだ」ってすごい大変そうに言うんです。
確かに、家事は増えてます。でも、それをやってるのは全部、私。
私が何も言わずにできることを、どうしてこの人は大変なことのように言うのか理解できません。

なんか、人間が小さいような気がして嫌なんですが、なんとか直す方法はないでしょうか。
それ以外は優しくてかわいい旦那なんですが…。
よろしくお願いします！

【33歳　会社員】

あなたは「リアル・ジャックと豆の木」という話をご存じでしょうか。

ジャックは豆をまきました。
豆は、数年かかって、それなりの芽がでで、それなりの大きさに育ちました。

終わり。

次にあなたは「リアル・三匹のこぶた」という話をご存じでしょうか。

三匹のこぶたはオオカミに追われました。
逃げました。

でも、みんな食べられてしまいました。

終わり。

どっちも、これこそが現実です。

間違っても、「豆の木が天まで伸びて、そこを登っていくと巨人の家があり、そこには財宝があって、最終的には追いかけてきた巨人を、豆の木を切り落として倒す」とか、「三匹のこぶたはそれぞれ家を造り、レンガの家を造ったこぶただけが助かった」とかの話にはなりません。こぶた、どれだけ時間に余裕があったんでしょうか。

言ってみれば、現実的にはつまらない話をもとにして、「大げさな味付け」をすることによって、ドラマが生まれるわけです。

逆に言えば、すべてが「ありのまま」だったら、世の中にある物語やおとぎ話などの大半はつまらないものになるでしょう。

恋愛でも同じですね。

「僕は君のことを世界で一番愛してる」
「あなたほどの男性は、今までにいなかったの」

間違っても、
「まぁ、それなりに好き」とか、
「あなたは今までの男性で35番目だけど、とりあえず妥協するわ」
なんて言わないのではないでしょうか。

結婚式やお見合いでは、誰もがそれぞれの学校を優秀な成績で卒業しますし、周囲の信頼も厚く、将来を嘱望される人材になります。

世の中はこの「大げさな味付け」によって、より円滑で幸せに回っているのです。

そう考えてみると、彼のウソにもあたたかな気持ちになれるのではないでしょうか。
彼はそれによって「俺はスゴイ存在なんだ！」という気持ちに浸れ、自尊心を満たせるわけです。

また思うに彼の「大げさ発言」ですが、総じて「家事を手伝ったとき」のトピックが多いように思えます。
おそらく彼は心の中で、「家事をあまりやりたくない」と思っていることでしょう。
だからこそ、「自分はこんなに大変なことをしたんだ！」とアピールしているわけです。
間違っても、あなたに「やって当然」と思われたくないわけです。

ですので大切なのは、とにかく一つ一つの家事にたいして、「すごいっ！　ありがとう！」とベタ誉めしてあげること。

子供が何かを手伝ったときに、お母さんが大げさに誉めるようなものです。

これを繰り返せば、彼は自分から言わなくなるはずです。
どうか試してみてくださいね。

ちなみに万一それでも効かない場合は、あなたも大げさに話してみてはいかがでしょうか。

「お隣の奥さん、今年の夏は世界一周旅行ですって！」
「隣のダンナさん、今度は社長に出世ですって！　おまけに大株主になって資産一千億ですって！」

……逆にケンカになるような気が濃厚にしますが、あなたの幸せを心より願っております。